THE OLD MAN AND THE SEA

E. Hemingway "THE OLD MAN AND THE SEA" 読了

「老人と海」は,高校時代に実家の本棚に置いてあった新潮文庫で読んだ.爺さんが海釣りに出かけででかい魚を釣ったけどサメに襲われて骨しか残らん,という筋だけが頭に残っていて,高校時代の塾長は「いったい何を読まされたんだ?」と思ったものだ.それ以前に読んだ「武器よさらば」「誰がために鐘は鳴る」だと,普通に人間の肉がある感じで,「老人と海」には骨しかないという印象だった.

今回数十年ぶりに読み直してみて,海に出てからずっと爺さんが独り言を言ってるのが妙にリアルで笑えた.高校時代に読んだ時は,ほとんど読み飛ばしていたんじゃないか.よくよく考えてみると,ヘミングウェイの作品の登場人物には,いわゆる上流階級やインテリがほとんどいない.いや,インテリはいるんだが,インディジョーンズ的マッチョインテリばかりで,めっちゃたくましい.そして,マッチョな登場人物の話している内容が,小学生の頃に見かけたようなやたらと思い込みが強くてお頭が弱い子のそれとすごくよく似ていてリアルなのである.

今更「老人と海」を読んだきっかけは,こないだ名古屋に帰った時に実家の本棚に親父が大学生時代の一般教養英語で使ったテキスト「老人と海」を見つけて,英語で読んでみようと盛岡に持ってきたことである.んが,ページを開いたら「バリバリ」と嫌な音がして,安物のペーパーバックとはいえ親父の遺産をこれ以上ボロボロにするのも忍びなく,Amazonを調べていたら,講談社英語文庫なるものがあったので,この機会にゲットしてみたという.流石に日本の文庫本は製本が素晴らしく,おそらくこれから百年くらいは崩壊せずに読めることであろう.というか,海外の出版社の出してるペーパーバックは平均的な製本技術と紙質が大変低く,なぜあの人々はあんなクオリティのもので金をとって大丈夫と思えるのか,全く理解できない.ペンギンとか,結構儲かってるはずなのに,なんなのあれ?

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