さよなら妖精

米澤穂信「さよなら妖精」読了

ちょっと前からプルースト「失われた時を求めて」を読み始めたのであるが,全然話が進まない上に内容がくだらなすぎてつらいとわかった.それで,プルーストをメインにして,その合間に他の本というスケジュールを逆にして,プルースト以外の本をメインに読んで,その合間にプルーストということにした.このペースだとプルーストを読み終えるのに一年以上かかりそう.ちなみに全部で14冊ある.立派な箱に入ってるよ.

それで,このお話であるが,日本のどこかの地方都市在住の高校生男女が,なぜかその地方都市でホームレスになっているユーゴ出身の少女と出会う,というなかなかレアな設定である.時代が1990年代前半ということとタイトルから,あんま愉快な結末にはなりそうもないと予想できて,最初から若干うんざりしている.この著者の描く若者はひねくれているのが多いような気がしているが,本作でもひねくれた若者が過半数を占めていた.中高大学生なんてみんなもっと阿呆なんじゃないか.

ユーゴスラヴィアというと,名古屋出身の塾長としてはどうしてもグランパスにいたストイコビッチを思い出す.当時ユーゴスラヴィアは欧米から経済制裁をうけていた.ストイコビッチはそのような事情や,怪我もあってヨーロッパのトップチームに入団することができなかった.キャリアハイをJリーグで過ごした世界的プレーヤーはいまのところストイコビッチだけだ.ジーコやリネカーなども日本に来ていたが,キャリア終盤のお小遣い稼ぎでしかなかった.インテルやレアルに入団していたらもっとサッカー選手として大成功していたかもしれないし,ユーゴが崩壊していなかったらそれほど遠くない未来にW杯で優勝していたかもしれない.ちなみにストイコビッチの愛称は「ピクシー」で,これは「妖精」という意味らしい.もっとも,ピクシーというのは我々が思い描くような可愛らしい妖精さんではなく,邪悪な精霊みたいな感じであるとどこかで聞いたような気もする.

それにしても,ご近所さん同士でドンパチするのはアホらしい.結局それで誰が得したんですかね.日本も隣のジャイアンが暴れそうな雰囲気でほんとに迷惑ですわ.

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