高校での勉強の心構え
先日の合格発表で,ほとんどの生徒さんは入学する高校が決まったと思われる.上位5パーセントくらいで一高に合格したような生徒さん以外は,これまでとは色々と考え方や勉強における方法論を変えてゆかなくてはならないと思う.一番重要なことは,自分のことは自分で決める,学校や学校の先生の言うことは絶対ではない,ということ.自分の人生を他人に委ねてはならない.やれと言われたことであっても,必要ないと自分で判断したのであればやらないことにする程度の自立心くらいは持つべきであると思う.
以下に,以前面談に来てくださった生徒さんたちに配っていた資料の一部を抜粋しておく.参考にしてもらえるとありがたい.
全般的な注意(高校生向け)
ほとんどの高校生にとって高校での学習内容は質・量ともに非常に厳しいものです。学習に対す る意識を中学時代とはがらっと変える必要があります(現実には周りの生徒さんたちも普通の人 ばかりなので、意識を変えることは難しいようです)。
高校においては学ぶ分量が非常に多く、普段の学習で力を入れるべき科目とそうでない科目を しっかりと取捨選択する必要があります。また、宿題や課題についても取捨選択が必要です(残 念ながら、責任を持って取捨選択できないために自滅する生徒さんがとても多いのです)。科目 間で習熟にかかる時間や難易度が異なりますので、優先順位をつけることも大切です。
高校の科目で一番簡単なのが英語と国語です。これらは一年生のうちに目鼻を付けておきま しょう。単語と文法が8割くらいの重要性を占めています。三年生になってから勉強をしているよ うでは時間切れです。数学と理科は、特別よくできる生徒さん以外は習熟に時間がかかりますの で、時間をかけて丁寧に理解するようにします。基礎(定義の確認や、定理・法則の導出)と基本的 な問題の演習が大切です。同じ問題を繰り返してやる重要性はいくら強調してもしすぎることはあ りません。学校で渡される問題集は分量が多すぎる上にレベルがそれほど高くないので、うちの テキストを活用するのがよいと思います。
また、初めから推薦入試を目指すのでなければ、学校の定期試験の成績は良くても悪くても何 の関係もありません。一般入試においては筆記試験(と面接)の点数だけが問題であり、先生の 顔色を伺う必要のある内申点は存在意義がありません。そもそも、高校の評定の基準は極めて甘 く、「あまり勉強してくれないなあ」と思われる生徒でも平均が4.0を軽く超えていて、「結構頑 張っている」と思われる生徒だと平均4.8のような、ものすごい数字になります。推薦の基準は4.0 前後なので、ほとんど誰でも基準は満たせます。実力で大学に合格したいのであれば、英数国と 二次試験の科目については、定期試験前に勉強をせずに実力で受けても8割くらいはとれるように 普段からきっちりと勉強しておかないと勝負になりません。定期試験は、進級と卒業のためにの み存在すると考えてください。中学校とは定期試験の位置付けが全然違うのです。学校の授業を真 面目に受けて宿題を全てやることと、本格的かつ体系的な学習を通じて本物の実力をつけること の間には何の関係もありません。全体を見渡して、何を拾って何を捨てるのかを自らの責任で決 断する必要があります。学校の宿題は、成績中位の50人程度の生徒さんにとってはある程度有効 ですが、上位の生徒さんと下位の生徒さんにとっては時間と労力の無駄であり、「自分は何か やった」という自己満足を得るための手段でしかありません。自らの意思による学習でなけれ ば、それはただ与えられた餌を貪ることと同義です。