元彼の遺言状

新川帆立「元彼の遺言状」読了

大変元気な弁護士のお姉さんが，昔付き合っていた男の妙ちくりんな遺言状にまつわる事件に関わっていきますよ，という話．自分を殺した犯人に，遺産をあげるってのがそもそも成立するのだろうかと思っていたら，殺したかどうかの判定を遺族がするっていうことだった．実際に殺したかどうかじゃないところに判定条件があるならわかるわ．なるほど．この妙ちくりんな設定以外はちゃんとしたミステリーであった．犯人は半分くらい読んだところで推測できたが，そもそもの遺言状の動機は終わりまで読まないとわからんかった．

妙ちくりんといえば，主人公のお姉さんの性格設定も結構極端で，漫画とかアニメ的なデフォルメがなされている．賞を獲らないと作家として食っていくのが難しいというのはわかるけど，そんな変態的なキャラ設定をしないと賞を獲れないような選考自体がおかしいんじゃねえの，て気がする．