火星の女王
小川哲「火星の女王」読了
火星植民が進んだ未来のお話。未来のお話といっても科学万能という感じでは全然なくて、地球と火星の間のロケットは、この2惑星が近づく2年ごとにしか飛ばないし、ロケットの推進力に影響するので体重が増えると料金が増えるし、火星は自給自足できない設定なので、地球からの食料品や薬品が絶対的に必要だし、となっていて、火星居住者はなかなか不自由な生活を強いられている。
そんなある日、火星で採掘されるゴミ鉱石が未知の性質を持つとわかって、というお話。火星の3人、地球の1人の一人称でお話が進んでゆく。なんかフルネームが与えられている登場人物は、東大の有名な先生をもじっているような気がしてならない。
ジャンル的にはSFなのだと思うが、テーマは人間である。地味。これまでに読んだ地味系SFの代表は、AsimovのFoundation三部作なんだが、Asimovのメインテーマが人類であるのに対して、本作のメインテーマは人間だと思う。同じ地味でも味わいが違う。


