すべてがFになる
森博嗣「すべてがFになる」読了
昔から名前だけは知っていたシリーズ。全部で10冊あって、Amazonで全部買っちゃった。大人になると自分の自由になる金ができてええわ。
親殺しの猟奇殺人犯(心神喪失で無罪。天才プログラマーという設定)が在籍する研究所(ただし、窓のない地下の部屋に幽閉状態)のある島にゼミ合宿に来た学生と指導教官(准教授。昔の作品なので助教授という表記になっている)が、これまた猟奇殺人に出くわす。ゼミ合宿なので学生は何人か来ているが、指導教官とともに事件に首を突っ込むのは、おぼっちゃまくんの女子大生版みたいなお嬢様女子大生である。焼きそば食ったことない奴なんて本当にいるんか。
事件が始まってからは、外部との接触が完全に絶たれた状態で、いわゆるクローズドサークル物のミステリーということになっている。犯人は最初からだいたいわかるし、Fが何を指すのかもだいたい予想できたけど、それが事件とどういう関係になるのかは最後まで読まないとわかんなかった。グロい事件であったが、不思議と読後感は爽やかであった。
著者は大学教員ということで、学問についての考え方をいろんなところで登場人物に語らせている。以下引用。
「仕事もせずにぶらぶらしてる人が増えることになりますね。」「まぁその言葉には少し意図的な語弊が感じられるけど、その通りだよ。元来人間はそれを目指してきた。仕事をしないために頑張ってきたんじゃないのかな。今更仕事がなくなるなんて騒いでるのはおかしいよ。仕事をすることが人間の本質ではない。ぶらぶらしている方がずっと創造的だ。それが文化だと思うよ。僕は。何かをしなくちゃいけないなんて、それこそ幻想だ。」
いや全くその通りだと思う。
「死を恐れている人はいません。死に至る生を恐れているのよ。苦しまないで死ねるのなら、誰も死を恐れないでしょう。」
これも確かにその通りだな。



