米澤穂信「本と鍵の季節」「栞と嘘の季節」読了
図書委員の男子高校生が,学校で起きる謎を解いてゆく,というお話.男子高校生(中学生も)は基本的に阿呆であると考えている塾長からすると,こんな捻くれた高校生が存在するのかと不思議な感じ.そういえばちょっと前に読んだ同著者の「小市民シリーズ」もそうだった.
本作は短編集というか中編集なんだが,どのお話もスッキリした終わり方ではない.音楽でいうと,最後が主和音じゃなくて,微妙に違う音が混じっている感じ.古典音楽じゃなくて,ポップスに近い.アルセーヌルパンが古典であるのがよくわかる.楽観的でアホっぽくて「じゃんっ」て終わる感じ.
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