チェロ弦

結構久しぶりにチェロ弦を交換した.去年の夏以来かな.今回も前回と同じでラーセンのIl Cannone というやつ.チェロ弦は新製品が出るたびに値段が上がってて,昨今はヨーロッパのインフレに円安が重なって,趣味で弾いてる塾長としては半年ごとの弦交換すら厳しいくらいの高級品になってしまった.ラーセンのIl Cannnone は,数年前までピラストロのエヴァゴールドとかパペチュアルと同じくらいの価格だった.んが,ピラストロ製品の値上がりは凄まじく,今ではエヴァゴールドやパペチュアルは,通販の安売り店でも1セットで53000~55000円くらいになったため,お値段ほぼ据え置きの(昔はクソ高く見えていた)Il Cannone が安く見えるという,意味不明な状況になっている.この弦は,うちのヴァイオリン弾きが好きなタイプの音色らしく,その点でもまあいいか,という弦である.塾長自身はいつも書いているように最近は耳栓して練習してるから,音色自体にはこだわりはなく,むしろレスポンスの良さなどの弾き心地だけが選択ポイントになってたりする.

耳栓をしていなかった頃は,金属音がうるさい弦が嫌いだった.例えばチェロの定番であるスピロコアのタングステン巻きのCGとかははっきりと嫌いな弦だったし,エヴァピラッツィ(ゴールドじゃない方)も嫌いな音だった.タングステン巻きじゃなくて,クロム巻きの方だと金属音はあんま気にならないんだけど,その代わりレスポンスが悪くなって,それはそれで気持ち悪い.そもそも,スピロコアのCGに他のメーカーの弦(ADをスピロコアにするのはロストロくらいしかおらん)を合わせるのって,どうなん?て思ってた.

それが10年くらい前にピラストロがエヴァピラッツィゴールドとパペチュアルという新製品を出してきて,こいつらはクソ高いけれど金属音がほとんどなく,レスポンスも素晴らしいという,明らかにそれまでの弦とは違う高性能なものだった.でもクソ高い.最近は,フレクソコアデラックスという,エヴァゴールドやパペチュアルの半額くらいの弦が発売されて,こちらも金属音が少ない.ものすごく煌びやかとか官能的というわけではないけれど,十分以上の性能の弦だと思う.

というわけで,資金が潤沢ならエヴァゴールドとパペチュアルのいくつかのテンションのものから,最適なものが見つかるんじゃなかろうか.そんなに金をかけられん,というのであればフレクソコアデラックスが第一の選択肢になるんでは.どう考えてもヤーガー(or ラーセン)とスピロコアという,有史以来使われている惰性コンビよりも理にかなっていると思う.

Il Cannone はCGに金属音があるけど,レスポンスは十分速く,ADの太くて丸くて(新しいうちは)輝かしい音が良い.あと,ピラストロの高級弦に比べるとずいぶん安いのもよい.今使っているのはDirect Focused という,割と筋肉質なバージョンだけど,いずれBroad Warm という,もう少し柔らかいバージョンも試してみたい.CGでBWにしたら金属音が減るかも,とか考えている.

パッケージからして高そう.

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