同志少女よ,敵を撃て
逢坂冬馬「同志少女よ,敵を撃て」読了
第二次世界大戦における独ソ戦を舞台に,ソヴィエト赤軍の女性狙撃手部隊を描いたお話.タイトルをどこかで聞いたことがあって,盛岡駅の本屋でsなんとなく買った本である.表紙の絵から,ファンタジー系かと思っていたら,もう少し現実寄りの話だった.ナチスが勝とうがボリシェヴィキが勝とうが旧日本軍が勝とうが地獄しか待っておらず,負けても当然のことながら地獄しか待っていないわけで,これらの国に属していた人々はついてない.戦争やるなら勝たないと割に合わない.
戦争物語は好きではない.クソエピソード満載であるか甘すぎるかのどっちかであることが多いから.このお話はクソエピソードは少なめだったが,現実に寄せた作品としては価値観が現代に近過ぎて甘い印象がある.母方祖父は家族で唯一の戦場経験者であったが(ラバウルで沈没船に乗ってたらしい),戦争の話は全くしなかった.母上の話だと,寝ている時によくうなされてたらしい.生きるので精一杯の時に,人権とか尊厳とか考えてる暇ないでしょ.