TRUE TALES OF AMERICAN LIFE

P.Auster 編 "TRUE TALES OF AMERICAN LIFE" 挫折

最近亡くなったアメリカ人作家P. Austerが,どこかのラジオ局のパーソナリティーを務めていた時,視聴者から送られてきた実話をまとめたもの.いわゆる「ちょっといい話」とか「奇跡のような話」が延々と続き,現在のアメリカの状況を思い起こすと暗澹たる気持ちにさせられる.世界一優秀な頭脳たちが集まり,人類の最先端を切り開いている国家なのに,大部分の人々はこのような安直な与太話を大事にしてたりするわけで,これが絶望でなくて何だろう.まともな知性を持ったごく一部のエリートと,いまだ宗教とオカルトに毒されている大部分のモブの対照がこれほどくっきりしている国もあるまい.そして,アメリカがカオスの中で沈没してしまえば,おそらくは人類も暗黒のカオス時代に突入するか,文明が滅びるかのどちらかになるわけで,ああ,ちゃんとした教育が必要なのであるなあ,宗教的世界観を地上から滅ぼし去ることが必要なのであるなあ,ということを痛感する.

最初の50ページくらいでうんざり.各ストーリーは1ページから4ページくらいの短いものばかりで,どれを読んでも同じようなものが続いている.

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