パーカー デュオフォールド パール&グレイ

学生時代に使わなくなった万年筆を母上にプレゼントした.塾長は使わなくなったものや,興味がなくなったものを人にプレゼントしているふりをして,処分を任せていることが結構ある.この万年筆もそのうちの一つ.

塾長は万年筆が好きだ.使い始めたきっかけは,某アルファベット系の通信添削の添削指導員のアルバイトで,万年筆のインクを使わなくてはならなかったから.先方からは,万年筆を使えという指示はなく,デスクペンを使えという指示があった.デスクペンというのは安物の万年筆みたいなもので,極めて書き味が悪く,大量の答案に赤ペンを入れるには腕や肩が疲れすぎて都合が良くなかった.それで,割と有名な神田の金ペン堂というお店で万年筆を買ったのが運の尽きであった.シャープペンシルやボールペンとは違う,万年筆の面白さにしてやられてしまった.一本めはパイロットで,それもよかったのであるが,2本めのウォーターマンが本当にいい感じだった.いい感じだったのに,学生時代の友人にあげちゃった.意味がわからん.というか,学生の収入で人にあげるような価格の万年筆ではなかったぞ.

で,何本めかで購入したのがこのデュオフォールド.パール&グレイというペン軸はネット上でもほとんど見かけたことがない.たまたま,散歩の途中にあった千石の万年筆屋で見かけて衝動買いしてしまった.繰り返すが,学生が買うような値段ではなかった.塾長が財布に金を入れないようにしていて,さらに最近ではプリペイドカードを使うようにしている理由はこれ.それはともかく,このパール&グレイは見た目が本当に美しい.で,インクフローも潤沢かつペン先がガチガチに硬いので,なんか万年筆というよりはボールペンを使っているような気分になってしまった.ウォーターマンの絶妙なしなり具合のペンが好きだったので,なんかこのデュオフォールドは使う気にならず,母上にプレゼントしたのである.ウォーターマンは硬いでしょ,と思った方,ルマン200というモデルはペン先のしなりが絶妙だったんですよ.メーカーごとにある程度の傾向はあるけど,モデルごとに結構書き味は違うんよ.

そんなわけで,ずっと昔にプレゼントした万年筆のことなどすっかり忘れていた時に,YouTubeのおすすめにデュオフォールドの紹介動画がでてきて,そういえば昔母上にあげたよなあ,と思い出したのである.そして,こないだの帰省の際,母上がこのペンを使っていない(でかいし,そもそも日常生活で万年筆を使うほど母上は万年筆好きではない)のを確認して,取り返してしまったのである.ものすごく久しぶりだったので,とりあえずお湯を何度か通して,超音波洗浄機も使った.結果,普通に使えるようになったぞよ.長いことほぼ使われていなかったので,何十年も前のペンなのにピカピカ.素晴らしい.では,画像をご覧あれ.

サイズはセンテニアルという,でかいほうのやつ.存在感あるねえ.写真がちょっと暗くてあれだけど,ツヤや模様もめっちゃ美しいのよ.

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