化学参考書・問題集紹介

化学の困ったところは、数学や物理ほどシンプルな理論的説明がなく、そのような説明ががあるような場合でも大まかな傾向しか導き出されないため、覚えないといけないことが多くて大変なことです。それでも、物理の知識があれば理解が深まることは間違いありませんし、そもそも物理の基礎知識がなければ、K殻L殻などの飛び飛びの軌道やヘスの法則や状態方程式などの起源もわからず、もやもやしてしまいます。もやもやを減らすためには、物理も学ぶ方が良いでしょう。テストで点数を取るだけなら物理の知識は不要です.

中学レベル

特にありません。中学校レベルの理科は単なる暗記と、お話レベルの理解だけで十分です。

高校レベル

原点からの化学シリーズ(全五冊)(石川正明著 駿台)

有名な(悪名高い?)「新理系の化学(上下)」の著者による素晴らしい参考書です。「新理系の化学」は説明が本格的すぎることと、紙面がそっけない(不親切な補助プリントみたいな感じです)ことで万人向けとは言えませんが、「原点からの化学シリーズ」は本格的な説明をかなり噛み砕いた表現にしていて、より使いやすくなっています。高校生が苦手にすることの多い、化学平衡における様々な近似計算も丁寧に説明されていて親切です。化学の近似は物理の近似よりも計算パターンが多いので、苦手にしている高校生は多いです。この本を使っている人を見たことがないのですが、その理由がわかりません。

化学標準問題精講(鎌田真影他著 旺文社)

問題の選定が良いだけでなく,特に理論問題の計算方法に一貫性と明快さがあって良いと思います.大学入試で出題される標準問題(配点の8割以上)の型がほぼ網羅されています(無機化学に関しては網羅的とは言えないので,なんらかの手段を講じる必要があるでしょう).問題数が少ないため,反復練習に適しています.現在塾長が知る限り,過去問演習をする前にやっておくべき問題集として第一にお勧めできるのはこれです.

理系標準問題集化学(駿台)

問題数がそれほど多くなく、重要な出題パターンをほぼすべて網羅しているため、使いやすいです。高三の夏休みまでに二、三回回して穴のないようにすれば、それ以降の本格的な演習にスムーズに入って行けるでしょう。ただ,このシリーズの物理と同じで,解答があまり体系的とは言えず,めっちゃおすすめするわけではありません.

一般化学(上下)(マクマリー著 東京化学同人)

アメリカの大学用の教科書です。といっても、日本の高校生なら十分に読み進められます。カラー写真も美しく、説明も丁寧なので楽しいです。この本以外でも、東京化学同人からはアメリカの大学生用の化学教科書がいくつか出版されています。どれもそれぞれ特徴があって面白いです。本屋さんで実物を手にとって読みやすそうなもの、使いやすそうなものを選べばよいでしょう.

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