返金
昨日か一昨日,関東にある医学部専門の予備校か塾の話題がニュースになっていた.合格保証を謳っているのに子供が不合格になったので返金するよう要求したが,予備校側はそもそもその生徒さんの実力では受験予定の学校は無理だから,不合格でも返金は難しいと年末の面談で話していた.そしたら生徒側から訴訟を起こされて予備校側が負けちゃったとかいうことであった.
「〜保証」とかを勝負事に対して謳うのは無理筋だと塾長は考えている.例えばお受験ではなく高校野球だったらどうか.ある高校が「甲子園出場保証.出場できなかったら学費全額返還」とか言ってたら,多分大部分の保護者や生徒は「こいつらアホちゃうか」と思うはずだ.あるいは「元本全額保証」とかで株を勧められたらどうか(いや,これはれっきとした犯罪行為であり,しかも常に一定数の,欲の皮が突っ張ったええ大人が引っかかってるんだが).
だから,「合格保証」という文言において最も重要なのは,おそらくは小さい文字で契約書のどこかに書いてあるはずの条件なのだ.授業に全部出席するとか,課題を全てこなすとか,小テストや模擬試験で規定以上の成績をおさめるとか,そんな感じだろう.それらをクリアできるという条件そのものが,おそらくは大部分のそれほど優秀ではない(そして申し訳ないが「〜保証」などという文言にひっかかる残念な)生徒さんにとっては困難極まりないことだと思う.その上で,試験当日にある程度以上良いコンディションで,大きなトラブルなく受験を終えなくてはならない.医学部だと最低でも8割だ.6〜7割でどうにかなる他の学部とはずいぶん違う.これ,普通に考えて合格保証なんてできんでしょ.
当然,石原学舎でも合格保証なんてやったことはない.もしかしたら東北大学くらいまでなら条件付きで合格保証をすることができるかもしれないが,そのための条件はそこそこ厳しいものになるはずで,クリアできる生徒さんはほとんどいないと思うな.仮に,合格保証を謳ったとして,これまでのうちの生徒さんたちのうちで,東北大の合格保証なら出せる(医学部除く)と言えたであろう生徒さんは5人もいない.こんなの全然合格保証じゃなくて,むしろ選抜試験みたいなもんだ.
というわけで,今回の件については,予備校側はうかつor 誇大広告で,生徒さん側は恥知らず,と塾長は解釈したのであった.