BUTTER
柚木麻子「BUTTER」読了
ずっと前に週刊誌で話題になった、結婚詐欺師の女が金持ち親父から金を巻き上げて殺した、という事件を思い出させるようなお話。主人公は週刊誌記者で、愛人たちに対する殺人容疑で東京拘置所に収監されている梶井という女を取材している。梶井女史はやたらとグルメやバターにこだわりがあるようで、取材を重ねるうちに主人公もそれに感化されてグルメとバターにしてやられて、体重や人間関係が少しずつ変わっていく。
最近、現代日本の作家も読まないとなあと思って(なぜそんなことを思ったのかはよくわからない)、GOATとか「世界99」とかを読んだ(読んでる)。それで思ったんだが、現代日本を舞台にしている作品てのは、なんか全部同じような話に見えてくる。そういえば、岩波から出てる日本文学短編集なんかも、それぞれの時代でなんかにたような話なんだよな。もちろん、それぞれテーマは違うし、登場人物の属性や社会的環境も違うんだけど、やっぱ同じに見えるのだ。小説を読むときに時代性なんて考えたことなかったけど、実はそれぞれの時代において書き手が持っている問題意識とか、世界の見え方に共通性があるのかもしれん。
で、最初の三分の二くらいまでは、同じようなことがずっと続いて退屈というか、「もうバターはええねん」とか思ったんだけど、最後の三分の一くらいは結構楽しかった。英国でも売れてる、と帯にあったけど、その理由はよくわからない。たまたま英訳されたからとか?欧米人のオリエンタル趣味に合わせるなら、森見登美彦とか万城目学の京都もののほうがよさそうな気がするんだけど。


表紙がリバーシブルになってて、裏面は英国版の表紙なんだと。これ見ると、イギリス人が本当にこの小説を読んでるのか疑わしく思えてくる。

