ミネルヴァ計画

J.P.ホーガン「ミネルヴァ計画」読了

月面で宇宙服を着た五万年前の人類の死体が発見されたところからはじまる「星を継ぐもの」シリーズの最終巻.シリーズ全体を通して,壮大なホラと底抜けの楽観主義とご都合主義に溢れていて,読んでいて明るい気持ちになれる.宗教やある種の社会階級制度に対する辛辣な見解が随所に述べられていて,ホーガンが人類史における欠陥をそちらに見ているのがわかる.この点に関しては塾長も割と同じような考えを持っているのであるが、そのような欠陥が宗教や社会階級制度にあるのか,それとも人類が遺伝子の中に持っている性質なのかはよくわからない.神話や神秘主義に惹かれることと,"偉大な"王様や皇帝などの支配者を欲することはいずれも根っこが同じで「立派な人(存在)に庇護されたい,認められたい」という人が多いことと,それを利用して偉くなりたい,という少数の声が大きくて暴力的な人の組み合わせによるような気がするのだ.神の恵みのような都合の良いことは起きず,歴史上立派な王様なんていなかったにもかかわらず,そのような存在を欲してしまうモブ精神をどうにかしないことには人類は次のステップに行く前に滅んでしまいそう.トランプもプーチンも,あいつらがクソなのは確かなんだが、あそこまで表舞台で好き勝手するようになる前に止めるとか暗殺するとかできんのかね,と思う.あいつらの周りがモブだらけというのが問題なの.

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