神は脳が作った
E.フラー・トリー「神は脳が作った」読了
神の概念が人類史においてどのタイミングで,どのような準備のもとに現れたのかを,ヒト種の脳の発達をポイントと考えて解説している.要するに,人の脳が自己言及的能力を持つようになることで,自分を時間軸上に置くことができるようになり,それによって自分はいずれ死ぬのであるとはっきり自覚したところでその恐怖を取り除くor 軽減するために死後の世界,神的な祖先たち,と続いて神の概念が現れた,というのが著者の主張である.
延々と続く人類史と人類の脳の発達のお話はどこかで聞いたようなもので,神様の話が出てくるまでに本の半分くらいが費やされた.最終章にいい感じに話をまとめたグラフというか図があって,それを見るだけで十分だったような気がする.タオルにぎにぎ体操すると血圧が下がるよ,っていう本があって,その本の内容は1ページでまとめられるのに,血圧が上がると体に悪いとか,タオルにぎにぎ体操をすることで80%以上の人の血圧が下がったみたいなどうでも良いことが書かれて100ページの本になっているような,そんな感じ.
翻訳のクオリティはあまり高くない.もしかしたら原著の英語が下手くそでそれに引きずられたのかもしれないが,なんかこなれてなくてイマイチ.

半年前に入手したブックカバーであるが,めちゃくちゃ濃い色になった.レザーのキャラクターでこんなに違うものなんだ.