百年の孤独

G.ガルシア=マルケス「百年の孤独」再読了

最近文庫本化されて話題の本を10年ぶりに読み返してみた.記憶があいまいで,半分くらいまでの内容は割とはっきり覚えているのであるが,そのあとのところは覚えていない.途中で投げ出した可能性が高い.

物語は,小さな村で血が濃くなるのを恐れた(血が濃くなると豚の尻尾が生えた子供が産まれてくる,と言われていた)ホセ・アルカディオ ブエンディアとウルスラの夫妻が,村を離れてマコンドという村を自分たちで作るところから始まる.場所も時代も明示されていないが,なんとなく19世紀末から20世紀初頭の中南米っぽい気がしながら読んでいた.スペインをはじめとするヨーロッパの地名も出てくるし,マコンドとヨーロッパにも少しだけ行き来があるような感じなので,もしかしたらヨーロッパ本土のつもりなのかもしれない.

お話はブエンディア一族とマコンドの栄枯盛衰を100年にわたって描いている.登場人物が現実離れしていて,幽霊も出てくるので,現実感がないのであるが,所々に現代技術や現代の風俗の記述もあって,なんだか混乱させられる.そして,一番混乱させられるのが,同じ名前の人物が何度も出てくるところ.100年分の家系図が最初のところにあるんだが,これどう思います?

ホセ・アルカディオやアウレリャノが何世代にもわたって現れているし,そうでなくてもウルスラやレメディオスが複数名いる.誰が誰だかさっぱりわからん.

外国文学で人名が覚えられんというのはよくあるが,これは日本名であってもわからん.一郎が100年の間に5人も出てたらわからんし,二郎がかっこつきで17名とか書いてあったらどうにもならんだろう.

ブエンディア一族とマコンドの100年は,どこを切り取ってもあんま変わらんようで,確実に何かが変わっていき,最後はマコンドごと消え去るという,ガンダーラみたいな終末を迎える.ネタバレとかそういうことは関係のないお話なので,結末も書いちゃったけど,よくわからん世界に浸って時間を過ごすという楽しみ方があるんかなあと思うんですわ.邪悪版シューベルトという感じ.

タイトルの孤独の意味は最後までわからんかった.最後の数年以外はいつも人がいっぱいいてガヤガヤしてたじゃん.

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