六月のぶりぶりぎっちょう

万城目学「六月のぶりぶりぎっちょう」読了

二つの短編(中編?)が入っている.いつも通りというか,二作ともけったいなお話である.一作目は,京都での学生時代にボロ女子寮に入っていた女子大生の話.同じ寮の中に少なくとも12回生の学生がいる,という設定である(12回生というのは,他の地域でいうところの12年生のこと).何回留年してるねん,と思うかもしれないけど,私の年代かつ京都で学生生活を送った人間としては,特に違和感のある数字ではない.大学入学を1回生として,その後は留年しようが何しようが数字が増え続けるというシステムなのである.実際に10年以上大学にいた猛者も一人や二人ではないし,そういえば京大オケの打ち上げで司会をしていたOBのT氏は自己紹介時に13回生とか14回生と言っていたような気がする.卒業後も数字は増え続ける.で,そのすくなくとも12回生である学生は主人公にどんな影響を与えましたか,というはなし.

二作目がタイトルになっている中編で,織田信長はなんで殺されたのですか,ということを人外も交えてミステリー風に考えるという,訳のわからん話.昔,綾瀬はるか氏が出演している映画にこんなのがあったような気がしなくもない.

単行本を買ったのは久しぶり.駅の本屋で,平積みにされてたのをなんとなく買ってしまった.

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