カリキュラム
入塾を検討されている方からのメールや,面談の際に,石原学舎のカリキュラムを尋ねられることがある.これがなかなか答えるのが難しい質問で,できる限り誠実に答えるとすれば「塾長が『こうしたい』というカリキュラムは確かに存在します.しかし,それでついてこられる生徒さんは十年に一人いるかいないかです.したがって,実際には在籍している生徒さんのレベルと目標地点を測って,それに合わせたレベルと進度でやっていくことになります.オーダーメイドと言えば聞こえは良いですが,これは妥協であり,しかし妥協なしにやってボロボロになるのは本末転倒であることから,妥協は必須なのです」ということにでもなろうか.
妥協は必須とは言え,目標地点である入試問題の方はこちらの事情を汲んでくれるわけではないので,そこにギャップがある時は当然のことながら生徒さんが無理をしてでも頑張るしかない.実のところ塾長が「こうしたい」と考えているカリキュラムは,大学側のレベル設定に関わらず,入試が単なる通過点になるようなカリキュラムであり,それは多くの受験生にとっては無関係のものである.
また,内容やレベルを生徒さんに合わせてカリキュラムを取捨選択した後も,生徒さんによって得手不得手の分野が異なるため,クラスの様子を見つつ,使うべきコマ数を分野ごとに調整せざるを得ない.また,1クラスに複数名いる時に,どのあたりのレベルを狙うのかも難しい.当然,全員得手不得手も能力も異なるから.考えてみれば,指導要領でガチガチに縛られている公立学校ですら,コマ数の使い方にある程度の自由がある(ように見える)わけで,1クラスあたり1〜3人程度の零細学習塾で,公立学校や大手予備校と同じようなコマの使い方をすることは理にかなっていない.そんなわけで,塾長の考えている"理想の"カリキュラムなどは不可能で,取捨選択した後に予定したカリキュラムもその後の様子を見て適宜変更することになるし,うん,側から見たら石原学舎にカリキュラムはないと見られてもおかしくはない.多分,見る人が見ればその中の芯に気づいてくれるんではないかと,こっそり期待してはいる.