吉田寮

中学生の生徒さんが,ニュースで京大吉田寮の裁判の話を聞いたらしく,吉田寮について塾長に尋ねてきた.どういうふうに答えて良いのかよくわからんが,一般的かつ善良なご家庭のご子息が中をのぞいたら仰反るような光景が広がっていて,住んでいる人々も,まさに多様性を体現するような連中である(あった).

吉田寮は京大オケの練習場に隣接していたため,直接的に関わることはなかったとはいえ常に塾長の視界の端に入っている施設だった.新入生の頃,ベビーカーを押してる夫婦とそれに寝かされてる赤ん坊を見て仰天したのであるが,その赤ん坊は塾長が卒業する頃にはずいぶん大きいガキになっていて敷地を走り回っていた.人格形成の重要な数年間をあの環境で過ごすってどういう感じなんだろう.

今回の裁判のごたごたは,寮生を大学側が追い出したいということから起きたものらしい.昔から大学当局は吉田寮を潰したがってたような気がする.自治という名の管理放棄で,ほぼ治外法権だったからなあ.耐震性が全然ないというのは確かにそうで,塾長が学生の時から,おそらく震度6なら確実にペシャンコになるだろうと思ってた.でも,なんだろう,あのような環境は文化遺産と言っても良いもので,おそらく日本中のいや世界中のどの大学にもないものだと思う.すごく汚いところだけど,保護地区みたいな形で保存(放置)できないものだろうか.大人たちがちょっと寛容なところを見せて,耐震工事の費用くらいは持ってもいいんじゃないかとも思うのだ.

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