進路
石原学舎では,進路決定は生徒さん本人と保護者の方の専権事項であると考えているので,生徒さんや保護者の方からアドバイスを求められない限りはこちらから積極的に何か働きかけるということはしていない.例外は医学部志望の生徒さんで,この場合に限っては,現実的な時間と労力で(現役または一浪,どんなに譲歩しても二浪)合格することが難しいと塾長が判断したときは,保護者の方にはその旨を必ず伝え,精神的にある程度タフな生徒さんであれば生徒さん本人にも伝えるようにしている.要らぬお節介であるとは思うが,医学部を目指し始めると途中で方向転換するのが難しく(せっかくここまでやったのだから,受かるまで頑張らないともったいないなどと考えるのだろう),貴重な青春時代を受験勉強に延々と費やして肉体と精神と人生を疲弊させる生徒さんを見るのが辛い,という塾長の個人的理由がある.逆に言うと,この点に関して何も塾長から言われていない生徒さん(というか保護者の方?)は心配する必要がなく,最終的に医学部に合格した割合は9割を超えている(そうでない1割もちゃんとした学校・学部に進学している).ただ,現実的な時間で合格できると言っても,現役で医学部に合格した生徒さんはこれまで2人しかおらず,それ以外の医学部合格者は浪人中に在籍していた子しか合格実績に載せることができない.石原学舎の経営的には,もっと早い段階から石原学舎の課題や塾長の要求が人として当然のレベルだと認識して,きちんと必要な反復練習をして次の段階に進めるようにしてくださいませ,とお願いしたいところではある.
あと,進路の決定は完璧を求めてするものではない,ということも確認しておきたい.どのような進学先であっても,良いところと困ったところがある.大事なのは,それぞれの長所短所をできるだけ客観的に把握した上で,納得した決断をすることだ.これを塾長は,正しき妥協と呼んでいる.全てを満足する選択肢がないところから自らの責任で選択してきちんと妥協する,というのは人生全てにおいて言えることだと思う.
そう考えると,盛岡の高校の進路指導は公立私立問わず,生徒に対して口出しをしすぎだと思う(一高は例外的に放置系だが,それでも保護者の方々が受験生の時よりはうるさいらしい).とある公立高校では,公立高校にも関わらずベネッセだったか東進だったか代ゼミだったかの職員をセンター試験直後に招いて,各々の生徒さんの受験計画を指南していたという.塾長から見るとこういうのは異常で,生徒さんが反乱を起こさなかったのが理解できないし,学校の先生方は一体何やっとるんだ,って感じ.業者側は統計データを沢山取って,かつ親切にしてるふりして自分ところの教材を買わせようとしてるだけなのに.進路指導なんてものは本来存在せず・必要もなく,過去問と合格者平均点と合格最低点が公開されていれば,受験生が自分で判断できるものだという認識が欠けてるんじゃないのか.