English Literature
L.D.Lerner "English Literature" (科目名:英米文学概説)読了
高校で講師をしていた頃,正規の教員免許を取ろうかと思って,日本大学の通信教育を半年ほどやっていた.スクーリングや実験の有無なんかも考慮して,日大の文学部英文学科.塾長の免許は,特別免許状とかいう有期で切れるエエ加減なもので,学校側が手続関連を全部やってくれていた.ということは,学校側の気分次第で更新をしてくれなくなる可能性も十分あるということで,こちらとしては正規の免許を取得して専任になるか,他所に移ったほうがよかろうと考えたのである.
半年で挫折した1番の理由は,レポートを作成するには文献を漁らねばならないにもかかわらず,こちらの図書館に必要な文献がほとんどなかったということ.高松の図書館だと,物理や数学でものすごく専門的な本が揃ってて,他の分野についても大丈夫かと思ってたら,文系に関しては充実度が低かった(少なくとも当時は).大学にいた頃は,文献なんてちょっと探せば大体は手に入ったし,本だって研究室のお金で買ってもらえた.現役学生の皆さんには,自分のいる大学をフル活用してくださいと強くお勧めしたい.
そういえば,教職に関わる科目群というのがあって,これがものすごくつまらなく,かつ現実に即していなかった.日々教室で教えていると,いわゆる教育学なるものが直接的に役に立つことは全くなく,かつ,その学問的正当性が強く疑われるものであるとわかった.あの教科書たちに書いてあることは,一体どこの教室のどの子供の話なんだろう.学習プロセスに関する一般論の存在を疑うようになった一つのきっかけになった出来事ではあった.
この時購入させられた教科書の一つがこの「英米文学概説」で,塾長の記憶に間違いがなければ,レポートはちゃんと書いて通ったはず.指定された部分を読んで要旨をまとめて何か論ぜよ,的な簡単なものだった.当時は該当部分を読んでレポート書くだけだったので,今回改めて一通り読んでみたと.まず,書かれたのが50年以上前で,作品のネタの半分以上が19世紀のものであるというのがすごい.21世紀の大学の教科書が19世紀の作品メインて,20世紀はどこ行ったんですか,て感じ.おそらく教官の皆様方が若い頃(学生時代?)に使っていて,新しいものに変えるのが面倒だからそのまま使ってます,ということなんだろうと理解している.それにしても,もう少し年代的に幅広く扱ったほうが良いんではないか.シェイクスピアの抜粋とか,そもそも現代英語じゃないですから.