ベルト交換
街中に行くついでに,川徳の時計売り場で時計のベルトを交換してきた.汗をかく夏場が終わった秋頃に,毎年ベルトを交換することにしている.まあしかし,7,8月はほぼ完全に引きこもっているわけで,汗だくになるような状況にはなっていない.夏が終わるのを待ってベルト交換をする意味はほぼないね.
塾長は腕が細いので,短いベルトが欲しかったのであるが,それはおいてなかったので通常サイズのものにした.一応百貨店なんだから一通り全部のサイズのものを置いといてくれればいいのに.というか,よく見てみたら,バネ棒がまっすぐになってるように見える.この時計のバネ棒は,曲げたものを使わなくてはならんのだが,これ大丈夫?なんかね,時計にしろ筆記具にしろ,売り場の店員の知識と技術が無さすぎて驚くことが結構多い.自分がやってる仕事に全然興味ないんですか?こっちとしてはIWCポートフィノが曲がったバネ棒使ってることなんて常識なんですが.そういえば,今日マリオスで練習の申し込みしてる時も,舞台の照明を明るくするなら技術屋が必要であるということで,技術屋なしの場合の明るさが,普段の演奏会だとどの瞬間なのか(客席が明るい状態くらいなのか,スポットライトが当たらないくらいなのか etc...)尋ねたら,受付のお姉さんはそれがわからなかった.いや,そりゃ自分が照明を調節してるわけじゃないというのはその通りなんだけど,照明の輝度をどうするのかを私に尋ねるのであれば,私の質問に答える程度の知識は持っていないと嘘でしょ.大人になってから会う社会人がこんなのばっかでうんざり.学生時代に周りにいた連中の方が100倍くらいまともだったぞ.そんな社会人でいいのか.
ベルトを交換してもらっている数分の間に,時計売り場をちょろっと見てみた.ここはそんな本格的な時計は置いてなくて,グランドセイコーとかnomosくらいが一番高いくらい.グランドセイコーは雫石で作ってるから,ある意味民芸品みたいな扱いなのかもしれない.そういえば,こないだ高校の職場見学的なやつで雫石の時計工房を見に行ったグループもあるとのことだった.数百万とか一千万を超える時計も作ってて,驚いた生徒さんもいたそうだ.しかし,グランドセイコーの最近の高級化路線は,完全に悪きブランド化そのものである.要するに,値段とクオリティが全く釣り合っておらず,宣伝にころっと騙されるような,そして高級布団を買ってしまうような無知蒙昧かつ金は持っている人々を相手にするようになったということだ.やたらとごてごてとデカくて不恰好な時計や,成金趣味以外の何ものでもない低俗なデザインはその最たるものだ.一番マシな手巻きの3針も,横幅に比して分厚すぎる.そう,グランドセイコーは35mm前後のサイズの,いい感じのドレスウォッチが全く作れないのだ.その技術がないと言ってもいい.成金趣味の権化であるロレックスでさえ,40mm超えのもの以外に34mm や36mmの男性用時計を出している.そう,塾長の腕に合うサイズの時計がグランドセイコーにはないのだ.10年ほど前にグランドセイコーを一本購入して,今後もっと小さくて薄いのが出たらもう一本くらい買ってもいいかと思っていたが,グランドセイコーを2度と買うことはないだろう.現在所持しているものも,いずれ売却してしまおうかと考えている.
だいたいやね,200万あればランゲのサクソニアとかパテックのカラトラバなんかも射程に入るのに(カラトラバがかっちょええと思ったことは一度もないけど),不恰好なグランドセイコーに500万とか1000万とか出すなんてアホらしいとしかいいようがない.なんでそんなんで商売になると思えるんだろう.なんでそんな時計を買う人々がいるんだろう.
あと,YouTubeとかの時計チャンネルで,ドレスウォッチを「入門機」とか言ってるやつ見ると捻り潰したくなる.ダイバーとかクロノグラフみたいなやつこそ,キメラ奇形時計と言うべきなのではないか.ランゲのサクソニアとか,20年前のノモスの金時計とか,30年くらい前までのIWCや50年くらい前のグランドセイコーとか,めっちゃよいデザインじゃん.結局,ドレスウォッチを「入門機」とか言ってる連中は,値段でしかものを見ない阿呆なやつであるということだろう.