気づき
先日、一次の不定方程式の解き方を生徒さんに聞かれたとき、その生徒さんが「mod使って解く方法を友達に教わったがよくわからん」的な話をしてくれた。解の存在を議論するとき以外にmod なんか使うんかいな、と思ったけど、確かに特殊解を探す一つの方法ではあり得るかもしれんとその時は考えた。ただ、そう話しても生徒さんが何か釈然としない顔をしていたのが気になって、今日もう一度考えてみた。そしておそらく、特殊解を求めるだけでなく、modのままで方程式を解くことで一気に一般解を求めるところまでそのお友達が喋っていたのであろうことが推測できた。なるほど。自分で不定方程式を解くときや解説するときには、そのような解き方は使っていなかったので完全に盲点であった。ちょっとだけ賢くなった。ただ、そのお友達が教えてくれたという方法が塾長が推測しているものと同じであるとすると、係数がデカくなると結局互除法を使って係数を変えてゆくしかないので、特別大きなメリットがあるわけではないような気もする。
気づきといえば、最近読んでるアインシュタインの伝記に、10歳くらいのアインシュタインが三平方の定理を比を使って証明した、というエピソードがあり、これも気になったのでちょっと考えてみた。塾長が知ってる証明は教科書とか問題集で見かけたものだけで、例えば、直角三角形の外側に正方形を三つくっつけて面積を計算するとか、直角三角形を四つ正方形に内接させるような図を描く、みたいなものくらいだ。で、本当に比を使って証明することができるのかとやってみたら、ほぼ一瞬でできた。確かに補助線一本で計算もシンプルで素晴らしい。ただ、これがアインシュタイン少年の思いついた証明であるのかどうかはわからない。当然、これまでに同じことを考えた人々は何億人もいることだろう。でもまあ、10歳のアインシュタイン少年くらいの脳味噌はあるとわかっただけで収穫であるとしよう。