体積
高3理系数学はここ三週間くらいずっと体積計算をしている.例年,体積計算を苦手とする生徒さんが多いため,しつこく取り組むようにしている.出題者側の都合としては,積分計算の技術だけでなく,空間図形の把握というところも見ることができるのが便利なのであろう.ここ数年は特に出題が増えているような印象である.にもかかわらず,手が止まる生徒さんが多いのはなぜなのか.一つには,学習指導要領が変わったことにより,理系の高校生しか学校では体積計算を学ばなくなった,ということがある.我々が高校生の時は文系理系ともに数学II(当時は基礎解析と言っていた)範囲で体積計算をしていた.数学IIの範囲であっても,円錐とか球の体積を求めることができるし,もう少し複雑な立体の体積なども(例えば立方体の一番長い対角線の周りに一回転させたときの通過範囲の体積とか)頑張れば計算できた.また,立体そのものではなくて,その断面を考えること,空間ベクトルの計算や平面や直線の方程式を用いた技術を駆使しなくてはならないということから,ある程度の訓練が必要で,やはり早いうちから練習しておいた方がいいに決まっている.うちでは2年生のあたりで一度初歩的な体積計算をやってもらっているが,その後も時々練習するということをしていないと,3年生になった頃には忘れとる,ということになるわけだ.これからのガッツに期待しとります.