就職活動

名古屋にいる下の甥っ子が就職活動始めたとかで,つい最近まで大学受験生だったのになんじゃそりゃ,って感じだ.塾長は大学生がやるようなちゃんとした就職活動をしたことがない.高校で働くきっかけはこっちで知り合った音楽関係者のコネだし,石原学舎は一人でやってるから就職活動なんてやりようがなかったし,いくつかやったアルバイトはテキトーにいくつか履歴書を出して最初に返事が来たところだったり,友人知人の紹介だったりで,まともな社会人とは見做されないような人生を送ってきた.

そんなわけで,雇われ人としての覚悟が,ちゃんとした社会人とは全然違うと自覚している.「雇っていただいている」という感覚が全然なかったのだ.自分の大切な時間と能力を,生活のために安売りしているのである,と思いながら高校で教え,アルバイトをしていたのである.なんと不遜なアルバイト.

しかし,日本のあらゆる場所とレベルで,このような安売りがなされてきて,結果として貧乏な国になってしまったことは本当にまずいことであった.お客は安さのみを店に強制して100円ショップという名の乞食用商店が勢力を伸ばすことに加担し,就職においてはブラック企業という乞食企業が従業員に労働力の安売りを強制し,国の中をめぐる金の量がえらい減ってしまった.金の巡りをよくするきっかけを作ることができるのは大企業と国家だけなのに,彼らはなすべきことを成さず,自分たちだけ肥え太ることをよしとした.

金の巡りは,そのどこが滞っても悪くなる.お客から始めるか,企業から始めるか,国家から始めるか,という話ではなく,同時に回り始めないと意味がない.我々にできることが何もない.塾長は与党には絶対入れないし,100円ショップでは絶対に何も買わないし,ポイント還元みたいな乞食の真似はしないけど,金の巡りをよくする役には全然立ってないことを知っている.どうすりゃええねん.

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