タバコ
昨年末から今年の初めにかけて,昼頃散歩しようと外に出ると,うちの前の寿司屋の駐車場隅でタバコを吸っているお兄さんを毎日のように見かけた.クソ寒い中,30分以上タバコを吸いながらスマホを眺めている姿は哀愁を誘うものがあった.ある時たまたま散歩方向とお兄さんが職場に戻る方向が同じだったので,どこの職場だろうかと後をつけて(怪しい)みたら,近所の眼鏡屋の店員さんであるとわかった.その後しばらくしてお兄さんを見かけることは無くなった.寿司屋に怒られたのか,メガネ屋に怒られたのか,そもそも仕事を辞めちゃったのか,わからない.それからしばらくして,寿司屋のアルバイトと見られる人が同じ場所でタバコを吸っていたが,最近は見かけない.と思ったら,別のアルバイトが敷地のすぐ外の歩道でタバコを吸っていた.寿司屋の入り口の張り紙によると「敷地内禁煙」ということなので,公道に出て吸ってるということなのであろう.
このようにして喫煙者は着々と職場の外に喫煙場所を求めるように矯正されている.塾長が働いていた高校でも,最初の一年は職員室の隅に喫煙所があったのであるが,翌年か翌々年にそれがなくなり,先生方は学校の外にあるコインランドリーでタバコを吸っていた.岩手大学なんかもおそらく構内禁煙のため,門の外にスモーカーたちがたむろしている姿を以前はよく見た.
で,こういうのを見てると,タバコを嫌悪している塾長ですらなんだかすごく気分が悪くなる.これは要するに,自宅にトイレがあるのに,自宅のトイレをきれいに保ちたいがために公道で野糞するのと同じではないか.職員の中に喫煙者がいるのであれば,そして喫煙が社会悪であり必要悪であるのであれば,職場内でそれをきちんと処理すべく環境を整えるべきなのではないか.なんだか,世の中全体が見たくないものを存在しないかのように扱う雰囲気になっているのがものすごく嫌.見た目だけ取り繕って自分たちがちゃんとしているみたいに見せかけるのは醜悪だ.もっとちゃんとしようよ.
タバコそのものについては,そもそも有害でありかつ塾長のような非喫煙者にとってはその臭いが嫌悪感のもとになっている(うんこを身体中に塗りたくっている人が近くに常にいたら臭くていやでしょ.そういう感覚)というのと,嗜好品に関して他人の趣味に口を出すのはいかにもセンスが悪いという気持ちがあって,自分の中で折り合いがつかない.