受講相談

新年度が近づいてきて,受講相談をされることが増えてきた.うちでは多くのコマをとることを推奨していない.集団授業は考え方の紹介と演習,個別授業は一人でやっていてつまづいていることの補助,という位置付けで,あくまでも自宅(や喫茶店とか図書館)での自学自習が大前提であると考えているからだ.よく「ピアノやヴァイオリンのレッスンみたいなものです」と説明しているが,楽器のレッスンを受けていても,自宅で楽器ケースを開けなければ上達しないのと全く同じことで,家で時間をとって勉強をするというのが絶対的に重要なのだ.そして学習計画自体も自分で立てないと意味がない.自分が何をすべきで,今やっているのは全体の中でどのような位置づけなのかという認識がないと,学習効率は上がらない.この辺りのことを甘く考えている生徒さんがほとんどであるように見受けられる.というか,学校の宿題が多すぎて,学習計画を自分で立てるという方向に頭が働かないのかもしれない.だとすれば,罪の半分は学校にあるとも言える.

学生時代にチェロを習っていた先生のところには,専門的に音楽をやる方向に進む予定のお子さんたちもいた.ときどき先生が「入学試験が近いからレッスンの回数を増やしてくれって親から言われるんだけど,家できちんと練習しねえやつがレッスン増やしても上達するはずがないんだ.考え方が根本的に間違っている.何もわかっとらん」みたいなことをブツブツ言っていた.当時は「生徒にレッスン受ける気あるんなら,レッスンしてやりゃいいじゃん」と思ってたけど,教える立場になると当時の先生の見方がよくわかる.

あと,集団授業の場合は,授業内容に関して自宅での反復練習をしないと全く身につかない.これまでの生徒さんで,反復練習をきちんとやってくれた生徒さんたちは例外なく実力がぐいっと上がったが,そうでない生徒さんが結果を出す確率は非常に低いかった.もちろん今年の生徒さんのように特別よくできる子なら,話を聞いて「ふーん」と思うだけで積み重なってゆくのであるが,世の中の99パーセント以上の人々はそういう能力を持っていないし,塾長もそんな能力は持っていなかったし今も持っていない.ということで,自宅で反復練習をしてくれない生徒さんがほとんどであるという状況だと,現実的には集団授業を受けた後で,少し時間を空けてフォロー用に個別指導を受けるのがベターなのであるが,それだとコマ数が増えてしまうし,なんだか色々難しい.フォロー用の個別指導を1:2とかじゃなくて,もう少し生徒さんの多い環境でまとめてやってしまえればいいのかもしれん.でも,生徒さんたちの都合が合うかというと,それまた微妙やねん.

もちろん,一度話を聞いて計算をまねれば理解できる生徒さんと,家できちんと反復練習してくれる生徒さんであれば,一週間に集団授業を3コマとか4コマとっても大丈夫.

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物理オリンピック対策講座のために,大学物理の演習とか,物理チャレンジ(国内予選)の過去問を解いたりしている.物理チャレンジの第二次予選問題は,大学入試問題が物足りないと感じている高校生にとって福音となるような気がする.塾長が高校生の頃に物理オリンピックに日本が参加していればよかったのにと思う.今の生徒さんたちが羨ましい.

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