チェロ的課題
今年になってから,弓と弦のコンタクトポイントのコントロールに注意しながら練習している.きっかけがなんだったのかはわからん.ただ,以前から練習の動画や,演奏会の動画を見て反省会をしてると,コンタクトポイントが気になることが多かった.なんでこんなにズレるねん.弦楽器は右手と左手でやることが全然違うため,両方同時に注意しながら練習することが難しい.これまでは左手の動かし方や音程ばかりに気を取られてたけど,一度真面目に右手もどうにかしようと思ったわけだ.今更感が半端ない.
まず,酷すぎるところから直してゆこう.どこがひどいかというと,移弦をするときと,弓を返す時.これらの動作を行うと,コンタクトポイントが不連続に移動することがある.これはよくないし,見た目も醜い.特に,弓元で弓を返す時にこのようなことが起きやすい.手首の無駄な動きと,補助すべき指の職務怠慢が原因であろうと現在は判断している.この辺りのことを注意しながら練習するためには,常にコンタクトポイントを見ながら練習しなくてはならない.普段,指板や下の方を見ながら演奏する習慣がないので,まずこれが難しい.首を曲げて下を見るのではなく,目線だけを下げてコンタクトポイントを見るようにする.この点,ヴァイオリンやヴィオラの人々は目の焦点を少しずらすだけなので楽なのであろう(老眼だときついかも).コンタクトポイントのようなミクロな部分は直接視認し,弓の向きや動く方向などは鏡を使いながら確認するようにしている.当然のことながら,暗譜している曲や練習曲・音階じゃないとこのようなことはできない.幸い,バッハはほぼ全て暗譜しているので,ネタとしては十分ある.でも,右手の方向やコンタクトポイントばかり気にしながら曲を弾くのはちょっと辛い.練習ってそんなもんだな.
右手の動きがほぼ完璧だと思えるのがシュタルケルで,彼の演奏する姿はチェロ弾きの一つの理想形だと塾長は思っている.アスリートとして完璧だ.音楽はともかくとして,身体の使い方に関して彼にケチをつける人がいたら,多分塾長は仲良くなれない.別の宇宙に住んでるんじゃね.