勉強方法
生徒さんや保護者の方から勉強方法について聞かれることがある.一般的な(というか,塾長が一般的であると考えている)方法はもちろんあるが,実践してくれてる生徒さんは割合としては1割もいない.いくつか理由はあるが,①即効性はない②ある程度の忍耐力が必要である,というのが大きいと考えている.
やるべきことははっきりしていて,①定義や公理や法則を正確に覚える②そこから導かれる定理や公式などの流れや条件をきちんと押さえる③その上で少数の問題を目的意識を持って反復練習する,に尽きる.発展的な演習で問題数をこなすのはこれらが終わってから.しかし残念なことに,これらを飛ばして,むやみやたらに問題を解く生徒さんが多く,そして学校でも基本的なことをきちんと教えないまま大量の宿題を出したりする.塾長にできることは何かあるのだろうか.
実は,中学範囲であれば,上の条件はうちに来て勉強している時間だけでもほぼ完遂できる.量も質も負担になるほどのものではないから.しかし,高校範囲だと,うちに来ている週2コマとか週3コマで上の条件を満たすことは絶対に不可能で,うちで基本的な考え方を学んだら間髪入れず復習し,その後も頭から抜けないように反復練習を続けなくてはならない.学校の宿題をやらねばならないという義務感があると,その時点でタイムオーバーだったりする.塾に通っている子には宿題を出さないでほしい.
あと,現役生用の予備校なんかだと,同じ分野をテキストを変えて繰り返す,的なことをさせることがあるようだが,あれは反復練習としては正しいが,基本的には講座をたくさん取らせるための集金プランだと思った方がいい.反復練習は同じテキストや問題集を使うべきだと塾長は考えている.Amazonのレビューとかで「チャートが終わったので1:1対応に進みます」みたいなことを書いている阿呆がいるけど,チャートをきちんとやったのであれば(ほんまかいな),あとは過去問をたくさんやればよかろう.参考書やテキストは基本的には一種類で十分.ちなみに,塾長はチャートやFocusGold は良いと思っているが,うちのテキストを使って勉強するのであれば,他の参考書は使う必要がないと考えている.というか,標準コースのテキストであってもそこそこの内容があるので,ほとんどの高校生はそれだけでお腹いっぱいだと思うぞ.標準コースのテキストのどこを見ても何をすればいいかわかる状態になっていれば,過去問をやらなくても本番で6割以上は取れるはず.上手に石原学舎を使ってください,といつも願っている.
この辺の勉強法についての考え方は,楽器をやったことのある人ならわかってくれると思う.上に述べた①〜③の作業というのはヴァイオリンで言えば,ボウイング練習と音階分散和音練習,そして練習曲に対応していると考えて貰えば良い.それらがきちんとできていれば,曲を弾く際の困難がかなりの部分解消しているはずだ.アマチュアが下手糞なのは,ここの作業を面倒くさがってやらないから.曲ばかり弾いていても上手くなるはずがない.問題演習ばかりしていても,理解が深まるはずがない.音階や分散和音なんて,指遣いも弓のバリエーションも頭に入っているし,練習曲もある程度は頭に入っている.でも毎日やるでしょ.基本事項の反復練習も同じこと.単語の暗記も同じこと.即効性がなく,ある程度の忍耐力が必要であるというのは,学習のプロセスとしては致し方ないことなのだ.ただ,石原学舎では,反復練習に足る課題を提供している.生徒さんたちが忍耐力を持って取り組んでくれれば,能力をMaxに伸ばせると信じている.