ジュピター

来月の演奏会でモーツァルトのジュピターを弾く.今日はその練習に参加してきた.室内楽の演奏会をするときはスコアを真面目に読みながら個人練習もするのであるが,オケでそれをやるだけの根気はない.今回は,YouTubeとかCDでジュピターを流しながらPlay along 的なことをして個人練習の最終段階にしている.とりあえずわかっているのは,第4楽章で二箇所ほどものすごく苦手なところがあって,左手と右手の両方がもつれてるってこと.一ヶ月あればもつれなくなるだろうけど,今日のトゥッティ練習では毎回もつれてた.ちゃんと丁寧に練習しよう.

今回はおそらく後ろの方で弾くことになる.指揮者が見づらくて弾きにくいけど,逆に言うと悪事がバレにくいということでもある.学生時代,トゥッティの練習において後ろの方で開放感に浸りつつ好きなように弾いていたら,誰かが首席奏者に「石原が後ろの方でめちゃくちゃ暴れてるで」と密告したらしく,結局怖い人の監視の目が届くところに座席を移動させられてしまった.今のオケは多分塾長を密告するような底意地の悪い人はいないと思うので,好き勝手弾き散らかしてこよう.具体的に言うと,遠慮せずにガンガン音出すよ,ってこと.まあ,それでもアマオケのチェロセクションは全然音が通らないから,問題はないのだ.音程が揃うだけで随分と音の通りは良くなるんだけど,そいういう細かい練習はしないから,一生懸命弾いてるような格好してもしょぼしょぼした音しか客席には届かんのよ.

そういえば,ジュピターの第4楽章はフーガで,塾長は曲の属性としてはフーガが好きみたいだ,と最近わかってきた.ジュピターなんかも,CDと一緒に弾いてると体の中からぐわっと熱い気持ちが湧いてくるし(トゥッティの練習だと何が何だかわからん状態だった.本番までにはぐわっと熱くなるようなところまで上手くなるとええなあと思ってる),バッハのフーガの技法も,特に未完成のフーガを聴いていると内臓をギュッと締め付けられるような気持ちになるし,同じバッハの平均律のいくつかを聴いていると(全く信仰心などない塾長が)宇宙創造を目の当たりにしているような,何者かを讃えなくてはならないような気持ちにさせられる.ああ,ジュピターは楽しい.運命は難しくて弾けないから,ただただ辛い.

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