ケースを開けたらチェロの弦が4本とも弛んでた.ものすごく久しぶりで,張り直す作業はものすごく緊張した.1本目の弦で不注意なことをするとはずみでコマが倒れてしまうかもしれないし,そうでなくてもコマが大きくずれるかもしれない.4本の弦を少しずつできるだけ均等に張るように張力を上げてゆき,なんとか元に戻すことができた.少し前から電気毛布でケースを包んで温度差が大きくならないようにしてきたが,今朝は0度まで下がって今シーズン最低に近い感じだったので,もう少し設定温度を上げても良かったかもしれない.このあたりの調整は難しい.外出で玄関からタクシーに乗るまでの間に弦が緩むこともあるような環境なので,北国の弦楽器は大変だ.ロシアの弦楽器奏者とかこういうの慣れてて全然動揺しなさそうだ.あの人らはメンタルがタフそうだし.ペグをハンマーで叩いて打ち込んでるって聞いても驚かんよ.

そして,こういうことがあるからこそ,ケースは表板を上にするようにして保管することを皆様に勧めている.ヴァイオリンなんかはケースのサイズ的にもそれがそれほど難しくはないのであるが,チェロはサイズが大きく,人によっては立てて保管している人もいる.それをやると今回のようなケースでは確実にコマが落ち,運が悪ければ魂柱も落ちる.チェロの人が時々やっている,楽器の左を下にする置き方もコマが落ちる原因になる.もう15年以上前になるが,こちらにきた最初か2年目の冬にそういうことが起きてめちゃくちゃ動揺した.こういう話をしても,ほとんどのチェロ弾きには通じない.みんな幸せなのよね.自分は関係ないと思ってるんだろう.

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