練習時の耳栓としてのノイズキャンセリングイヤホン

塾長はこの数年,常に何らかの耳栓をした状態でチェロの練習をしている.本番についてはそのときの気分や会場の音響によって耳栓をするかどうかを決めている.会場によっては,耳栓をすると他の人の音がよく聞こえないところがあって,その場合は危険すぎるので耳栓を外すか,ノイズキャンセリングイヤホンの場合はノイズキャンセルのパワーを下げて対応してきた.耳栓をする理由は聴覚の保護で,これまで何度か大音量でがなり立てた後に耳がポーンとなったり,聞こえが悪くなったりして怖くなったからである.耳鼻科の先生によると,チェロ程度の音量で難聴になることは考えにくいが,一般的に耳栓をしていれば聴覚が保護されることは間違いないとのことだった.最初の頃は,耳栓後のチェロの音が死んでしまうので何だかなあと思っていたが,聞こえというものは脳内である程度補正されるようで,しばらく経ったら慣れてしまった.これは,耳栓やイヤホンを換えた時も同じで,しばらく違和感が残るものの,しばらく経つと慣れてしまうようになる.時々耳栓なしでチェロの音を出すと,あまりにでかい音でびっくりするようになった.

現在所持しているノイズキャンセリングイヤホン(壊れてなくて,使用可能という意味)は3つで,Sony,BOSE,そして最近買った BEATSのものである.以下にそれぞれの特徴を紹介しておく.楽器練習時の耳栓用というのが主目的なので,おそらくほとんど誰の役にも立たない.それに,塾長はイヤホンで音楽を聴くという習慣がないので,さらに誰の役にも立たないことであろう.

Sony ・・・それまで使っていたノイズキャンセリングイヤホンは有線のもので,これが初めて購入した無線接続型のものだった.きちんと装着していればノイズキャンセリング性能は高いのであるが,口を動かしたり首を回したりすると緩んで聞こえ方が変わってしまうので,耳栓としては落第点である.弾いている最中に聞こえ方が変わるのは本当に許せない.無伴奏とかだとズレたイヤホンを付け直すこともできない.これを購入した当時は,無線接続型のまともそうなノイズキャンセリングイヤホンが他になかったので,選択の余地がなかった.Apple のものは見ただけでいかにも耳から落ちそうで,選外.ノイズキャンセリング性能を褒めるレビューが多いのが不思議.どう考えても音が隙間からいくらでも入ってきそうだし,ちょっとしたことで耳から落ちそうじゃん.

BOSE ・・・Sony のものを買ってから数ヶ月経ってから発表された.BOSEのものは耳の中に引っ掛けるためのフィンがあって,良さそうだなあと思っていたが,Sonyも買っちゃったし金もないからしばらくは手を出さずにいた.しかしそのうち,Sonyのものがあまりにも耳の中で動きすぎるために腹を立ててとうとうゲットした.耳の中での安定性は素晴らしく,ノイズキャンセリング性能も文句なし.最初からこれを買えばよかった,というか,無線型を買おうと決めた時にこれが販売されていればよかったのに,と強く思う.ノイズキャンセリングの強さを簡単に変えることができるのがよい.ただ,ちょっと大きくて,耳から若干飛び出すような感じがある.

BEATS ・・・これはそもそも耳栓用ではなく,空間オーディオを体験するためにゲットした.空間オーディオはがっかりで,耳栓用として使うとBOSEよりも随分弱い.ただ,これもフィンがついているので耳の中できちんと安定している.あと,小さくて軽いのでBOSEよりも違和感が少ない.そして,BOSEだとノイズキャンセリングが強すぎて,さすがにチェロ弾いて音を出す楽しみがなさすぎるのであるが,このイヤホンだと結構チェロのチェロらしい音が聞こえる(というか,イヤホンを通過してしまっている音が多いというか)ので,練習が楽しい.空間オーディオ用に買ったものであるが,多分これからは耳栓用として使うことになると思う.あと,このイヤホンはApple製品との接続がすごくスムーズで,いちいち接続し直さなくてもそれぞれの機器で音を出そうとすれば勝手に繋がってくれるのが楽(そして,意図しない接続がされることもあって,それはそれで邪魔).

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