京大特色入試

うちの1年生用数学テキストに「円周上にn等分点をとり,その中から異なる3点を選んだとき,鋭角三角形になる確率を求めよ」という問題がある.有名問題なので毎年どこかの大学で出題されているものだ.この問題でn→∞とすると,円周上に異なる3点をとったときに鋭角三角形となる確率を求めよ,という連続バージョン問題に変形できる.この連続バージョンについては,n有限の粒々計算から無限大に飛ばすようなやり方だけでなく,初めから連続変数で考えることもできる.3点の位置を円弧の長さか角度で表して,それらの動き得る領域の体積を考えれば良いのだ.ちょっとだけ測度論的確率ぽい雰囲気が味わえるんですわ.

で,この問題を解説してたら,3年生の生徒さんが「2016年京大特色入試の問題もそれでいけるのでは」と言い出した.この問題は「円周上にn等分点を取り,その中から異なる3点を選んだときの三角形の面積の期待値を求め,n→∞の極限を求めよ」というものだった.確かに,上に書いた方法でも扱えそうなのでやってみたら,n有限の時よりもずっと楽な計算で答えが出た.なるほど.

ちなみに京大特色入試(理学部)は,学力試験が数学だけ(ただし共通テストで7割くらい必要)という,数学マニア専用の試験である.塾長はこっそり「変態入試」と呼んでいる.一般入試とは難易度も出題の方向性も異なっていて,なかなか面白い.制限時間内では塾長は完答できない自信がある.

n有限の計算はノートたっぷり1ページは使うことになる

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