群論レポート
名古屋の甥っ子から数学の質問をされた.彼は名古屋大学の経済学部に通っていてバリバリの文系なんであるが,夏のレポートがこんな感じだったらしい.
群論における初歩的な用語や定義がわかっていれば当たり前にしか見えないし,証明自体も難しくはないのであるが,それでもこれはガチの数学ですわ.文系の学生が当たり前にやることではない.塾長は常々「我々の頃に比べて,大学受験生のレベルも大学生のレベルも上がっている」と言っているのであるが,こういうのを見てもそれは実証されていると思う.少なくとも,旧帝大や国公立の医薬系の学生のレベルは上がっている.問題は,我々大人のレベルがそれに見合うだけのものになっていないということだ.せっかくの優秀な若者たちに十分な活躍の場を与えることができているとは到底思えない.どうすればいいんでしょうね.
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3年ほど前に,集中的にボキャブラをして,英語で書かれた小説を読むときの解像度はすごく上がった.でもまだいまいちな感じなので,今年の夏は一ヶ月ほどかけてまた集中的にボキャブラをすることにした.
生徒さんたちや,保護者の皆さんからの質問で比較的多いのが「単語を増やすにはどうしたらいいか」というものである.これに対する正解は「反復的に覚え直す.アウトプット型で覚え直す」しかない(反復回数が少なくても大丈夫な人々が稀にいる.おそらく,単純な暗記力に加えて,言葉の調子とか,綴りからの類推のような,総合的な判断ができているんだと思う).しかし,それをある程度きちんとやってくれている生徒さんはほぼ皆無である.理由は塾長にもよくわかる.覚える端から忘れていくことが実感できるので,心が折れるのだ.例えば,今日塾長は200個ほど詰め込んでみたが,覚え直しのチェックをしていると,リアルタイムでボロボロ落ちていくのがわかる.結構しんどいし,もうおっさんだから頑張っても入らんのではないか,という気持ちも湧いてくる.しかし,数時間置いてまたチェックしつつ覚え直してみると,入ってないと思ってたのが入ってる.また数時間してから同じことをすると,9割近く入っている.塾長のように記憶力が特別優れているわけではない人々(おそらく,うちの生徒さんたちの大半はそうだと思う)は,心を強く持ってこの作業をするしかない.「覚悟を決めて,単語を詰め込んでください」と言ってるのはそういうことなんよ.もちろん,詰め込む瞬間だけでなく,その後の覚え直しも毎日やらんとあかんから,これは習慣化する必要があるんだけど.