タブレットとおべんきょ
ちょっとまえに生徒さんたちと雑談してて「タブレットのノートアプリが優秀すぎて,もう紙のノートとか教室で使う必要ないんじゃないか.ワシが今中高生なら,間違いなくタブレット使って勉強してるわ」という話をしたら,ある生徒さんが「どこかの大学だか研究機関だかの実験で,紙に書いて勉強したグループとタブレットを使ったグループの比較をしたら,紙を使ったグループの方が成績が良かったらしい」というようなことを教えてくれた.五感をフル活用して学んだ方が頭に残るということらしいが,タブレットにペンで書いても,紙に書くのと同じような肉体的感覚はあるので,どうにもよくわからんなあといったところだ.
紙のノートとタブレットの大きな違いは,ノートを取るプロセスではなく,その後のプロセスにあると塾長は思っている.タブレットで勉強する際に最もやりにくいのは,どのページも同じ顔をしていることだ.同じ画面を見てるんだから当たり前なのであるが,ノートに書かれたものを復習するときは,それが偶数ページか奇数ページか,ノートの表紙の色がなんであるか,そのページの一部が破れているか,ノートのどの辺りのページに書いたか,などという,脳味噌に引っ掛けることのできる情報が同時に頭に残る.これらの補足情報があることによって,情報が多層的に整理されてくる.ノートを使ったグループの方が好成績であったというのは,そこに原因があるのではないか.
ちなみに塾長はここ二年ほど,タブレットでノートを作り,必要なものは(デジタルだけでは不安なので,非デジタルのバックアップとして)印刷して保存している.そのため,印刷したものについては紙に手書きをしたものとおそらく同じような感覚で頭に残っていると思われる.塾長がタブレットでノートを作る方がいいと感じるのは,こういうところが効いているのかもしれない.なにより,GoodNotesというアプリは,フォルダを何階層にもできるので,検索性も大変よろしい.馬鹿と鋏は使いよう,てやつですな.